マラソン小説

青山ひろし35歳の春最終回

しかし、結局、部長はその年の京都マラソンを走ることはなかった・・・。いや、その年だけではなく、その先も永遠に大会に出ることはなかったのであった・・・。あおやまひろしが、代走の件を申し出たその日の夜に、部長は血を吐いて倒れたのであった。肺癌…

青山ひろし35歳の春第6回

皆さ〜ん、こんにちわ〜!エコ通ステーション窓口スタッフのエコ助です。いよいよマラソン小説「青山ヒロシ35歳の春」の佳境に入ってきましたね。皆さん読んでいただいてるでしょうか?できれば、みなさんの感想やご意見をいただけると、作者エコ助として…

青山ひろし35歳の春第5回

「あおやまはん、いてるか?」 「あー土方はんでっか、まいどおおきに」 「おおきに」「また、わざわざうちまで足を運んでくれはって、一体何事でんのん?」 「いやな、あおやまはんにだけはちょっと話しとこ、と思うことがあってな、うちの部長のことなんやけど…

青山ひろし35歳の春第4回

彼は悩んだ、それほど深く悩んだわけではない。ちょっとだけ悩んだというべきである。制限時間内に走りきれる自信はない。かと言って、京都マラソンを走る権利をあの部長に手渡す気にもなれない。やはり自分の足で走ってみたい、という結論に達するのに、そ…

青山ひろし35歳の春第3回

あおやまひろしは毎日例の部長の会社に顔をださねばならない。これは仕事であるから仕方がない。 今日も気が進まないまま、「まいど〜」と会社扉を開けた。できれば、部長とは顔を会わせたくない。部長が抽選に漏れた日から、顔を見るたびに「ねちねち」といや…